--/--/--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告
2011/06/12

映画「奇跡」感想

一言で言うとおじいちゃんが作った軽羹(かるかん)みたいにぼんやり…もとい、ほんのりした味わいの映画です。
九州新幹線のプロモーションを兼ねたご当地映画かと誤解されそうですが、絵に描いたような奇跡は起こらず、感動の物語を期待すると肩すかしを食らいます。子供達の小さな冒険を通じ、ちょっぴり成長したのを見守れて、ほんのり幸せな気持ちが残る「子供」を描いた映画です。

ストーリーは「両親が別居し小学六年生の兄は母と鹿児島で、小学四年生の弟は父と福岡で暮らしている。家族四人で暮らしたいと願っている兄が九州新幹線「さくら」の一番電車がすれ違うときに、「奇跡」が起き願いがかなうという噂を耳にして…」というものです。


最近はTVドラマでも天才子役が大活躍していますが、主演の前田航基を始め子役7人とも演技が自然で、よくある子供や動物を使ったお涙頂戴映画みたいな嫌らしさは全くありません。ほとんどドキュメンタリーのような自然な掛け合いは演出の巧みさもあるのでしょうね。


四人で暮らす大阪という安住の地から離され、自分のいるべき場所とは思えない鹿児島で母と暮らす兄は、その不条理さを「意味分からん」という言葉にします。
一方ケンカする両親より、現状に喜びを見いだしそこを自分のいるべき場所に変えていく父と暮らす弟は、大地に種を植え収穫を待ちます。この兄弟キャラクターの対比はとっても巧いですね。
特にまえだまえだの兄・前田航基がバスに揺られながら見せる所在なさげな表情は、寂寞や心の痛みが伝わってきました。今後俳優としての活躍が楽しみです。内田伽羅も小学四年生とは思えない存在感でした。


また脇を固める橋爪功、大塚寧々、オダギリジョー、樹木希林、阿部寛、原田芳雄、夏川結衣という大人キャラが、何でも悩みを解決してくれる凄い人じゃなく普通の大人だというのがとっても良いです。この大人達がモンスターペアレントでも過保護でもなく寛容に子供を見守っていて、観客もほのぼのした気持ちになれます。(まぁ常識的に考えたら、7人もの子供が帰宅しなかったら大騒ぎになっちゃうはずですが、そこはフィクションという事で。)

1行ネタバレなので白文字にしますが、死んだ犬は生き返らないし、おじいちゃんは画期的な軽羹作って一山当てないし、お母さんはこの年になって今更レジ打ちの仕事に就く、このやるせない展開こそ普通の人生ですよね。でも大きな震災を経て、その普通に暮らす生活こそが素晴らしいと今の私たちは分かっています。先生と思いがけず仲良く話せたり、100円拾ったり、綺麗なコスモスが咲いていたり、親切な夫婦と出会えたり、そういう普通の生活の中で起きる小さな奇跡と共に子供達は成長していくんですね。その成長を目撃できる素敵な映画でした。

大人の都合なんて意味わかんなかったけど、自分のいる場所で生きる=「世界」を選ぶことにした兄の気持ちの描き方があっさりしています。それをコテコテにしたら、軽羹に餡いれたり、ピンクに染めたりするような迎合になる、あえてこの素材を活かしたあっさり風味こそがこの映画の持ち味でしょうね。ストーリーが地味だけど、「スタンド・バイ・ミー」にも通じる成長譚として細々と(?)愛される作品になりそうです。
ただフラダンスシーンが延々ある「意味わからん」かったです。その分上映時間を短くした方がテンポよさそうな気がするんですが、大人の事情でしょうか?



監督: 是枝裕和
出演: 前田航基、前田旺志郎、林凌雅、永吉星之介、内田伽羅、橋本環奈 、 磯邊蓮登、オダギリジョー、夏川結衣、阿部寛、長澤まさみ、原田芳雄、大塚寧々、樹木希林、橋爪功

上映時間: 128分
公式HP:http://kiseki.gaga.ne.jp/
明石屋軽羹饅頭8個明石屋軽羹饅頭8個
明石屋

商品詳細を見る

映画にも出てきた明石家の軽羹まんじゅう。
個人的には軽羹はあまり好きじゃないので、お土産にもらうなら「かすたどん」か、「さつまあげ」の方が嬉しいかも。味の嗜好が子供ですみません。


映画の感想 | Comments(6) | Trackback(2)
Comment
No title
映画「奇跡」の感想拝見いたしました。
ぼくもとてもよい映画だと思います。

「7人もの子供が帰宅しなかったら大騒ぎになっちゃう」とありますが、家出扱いにならないように子供たちはしっかり根回ししていますよ。勉強会とか言って。
No title
ご無沙汰です。
しばらく更新がなかったので、ブログを辞められたのかと寂しく思ってました。
最近、ちょこちょこと更新されるようになったので、また楽しく拝見させて頂いてます。
きっとお忙しいことと思いますが、lifeonmarsさんのブログの一ファンとしては、ゆっくりとでも続けてもらえると嬉しいです。

>サイズ君 さん
すっごくご無沙汰しててすみませんv-356
温かいお言葉ありがとうございます。
毎日暑いですが、サイズ君もお体に気をつけてお過ごし下さい。
>はせさん
コメントありがとございます
奇跡って後からジワジワ良さがくる映画ですよね
まさにスルメ映画、いや軽羹映画です。

確かに勉強会って言ってましたね。
お泊まりやるとなると、保護者どうしが電話連絡したりお土産持たせたりするので、7人ともばれなかったというのも奇跡なのかもしれないですね・・・。
No title
ほのぼのとした余韻に、浸りました。

バナナをかぶってた女の子が、印象的でした。

くるりの曲もしみじみとして、田舎が恋しくなりました。
>さくら さん
さくらさん、いらっしゃいませ。
くるりの曲、ゆったりした歌声が温かくて、この映画にぴったりでした。
あの時持ち帰ってたコスモスの種は、子供達の庭で冒険の思い出としていつまでも咲くでしょうね!
さくらさんの街でも、コスモスがそろそろ見頃でしょうか?

管理者のみに表示
Trackback
管理人の承認後に表示されます
管理人の承認後に表示されます

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。