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2009/12/20

「ザ・ハウス・オブ・グッチ 」感想

アンジェリーナ・ジョリーが、マウリツィオ・グッチを射殺した真犯人として逮捕される元妻パトリツィアを演じる企画を聞いて、グッチ(wiki)関連本「ザ・ハウス・オブ・グッチ 」を読みました。

グッチの歴史を知る歴史書だけじゃなく、グローバルビジネスがどんな物なのかを知るビジネス書としても楽しめ、何より愛憎・権力・富・贅沢・嫉妬と欲望が渦巻く壮大なドラマに夢中になりました。これが実話とは「イタリア恐るべし!」って感じです。

これは一部だけを取り出して映画にするよりTVドラマ「ROME[ローマ](wiki)」を作ったHBOとBBCに、5シーズンくらいのドラマにしていただいてじっくり見たい話です。

ザ・ハウス・オブ・グッチザ・ハウス・オブ・グッチ
(2004/09)
サラ・ゲイ フォーデン
一族の内紛から混乱を極めていた高級ブランドのグッチは、1990年代後半、復活した。
本書はイタリアの同族企業だったグッチが、外部から資本や経営陣を受け入れて、グローバル企業に発展するまでの過程を詳細に描く。

**残念ながら品切れみたいなので図書館または中古本を探して下さい。でもこんなに面白い本なんだから是非文庫にして欲しいですよね!**


この本を読む前に、NHKスペシャル「家族の肖像~激動を生きぬく第9集 グッチ家 失われたブランド」( 放送日: 1998年1月25日・単行本もあり)を再度ビデオで見たので、グッチの始まりや家族経営が引き起こす骨肉の争い、オイルマネーの乗っ取りという大まかな流れは把握していました。しかしドキュメンタリーがあくまでグッチ家の栄光と没落、再生への苦闘を描いているのに対し、本はグッチというブランドが主役です。ブランドは関わる人間を栄養として育ち、栄え、また萎み、金を生み出し、そしてその金目当てにまた人が群がっていきます。

ともかくグッチ家の骨肉の争いがそこらの映画やドラマより面白いです。登場人物がみんな個性豊かで濃い!読んでいてアクの強い俳優が演じているかのような錯覚を覚えるほど、描写も生き生きとしています。実在の人物ばかりなのであたり前ですが、どの人物にも様々な背景があるのを短い単語で描ききったジャーナリスト出身のサラ・ゲイ・フォーデンの筆力が冴えています。
たとえばパトリツィアを逮捕に来るニンニ署長の描写。
「ニンニは老練な刑事で、ミラノの麻薬取引撲滅にこれまでの職業人生を捧げてきた。豪勢な居間でパトリツィア・レッジャーニの前に立っているよりも、マフィアのボスを尾行したり、廃屋になっている倉庫に押し込るほうがずっと気が楽だ。」
叩き上げの渋い刑事が眼に浮かびますよね!
他にもたった数行しか登場しないブルネイの王様すらすごい存在感です。

逆に言うと登場人物が多くそれぞれ個性的すぎるので、一気に読まないと誰が誰かさっぱり分からなくなります。私は忙しくて数ページずつ読んだせいで「アレ?この人誰だっけ」となってしまいました。一気に読めない人は、登場人物一覧表でも作らないと混乱するかもしれません。

前半は親子・肉親・夫婦との骨肉の争い、中盤からはグローバルビジネス・投資会社との戦いとなりますが、それぞれの人物や出来事が詳細に描かれているので、その場に居合わせたかのような臨場感です。

またビジネス書としてもとても分かりやすく市場経済や企業買収を知ることができます。個人経営・家族経営企業では、資金力・経営手腕で世界的な競争に勝つことはできず、経営のプロと組むかブランドを売り渡すという選択をせまられるものなんですね。
1999年に高田賢三がブランドを売り渡しデザイナーを引退したニュースを聞いた時は、隠居的なイメージで捉えていましたが、あれもグローバルな競争でのブランド買収の結果、引退だったのかもしれません。

2001年10月出版された原本"The House of Gucci"はLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)との戦いにPPR(ピノー・プランタン・ルドゥート)傘下に入ることで勝ったところで終わりますが、2004年には最高経営責任者ドメニコ・デ・ソーレ、デザイナーのトム・フォードが会社を去っており、この本の後にも色々な動きがあったね~と感慨深いです。そういえばTVではオイルマネーの会社が少し悪役に描かれていましたが、本書ではあくまで投資会社となってるあたり、著者の苦労が忍ばれました。

(そのトム・フォードは今年「シングル・マン」(2009年)で映画監督デビューを果たし、沢山の賞にノミネートされています。結果が楽しみですね!日本では東京国際映画祭で上映されましたが、一般公開は無いのでしょうか?是非公開して欲しいですよね。)

この本がアンジーが主演映画の原作かどうかは分かりませんが、同じ事実を元に映画化するはずなので大きくはずれたストーリーでは無いと思います。
エンターテイメントとしてもビジネス書としても楽しめる一石二鳥の本ですが、多少まとまった時間が取れる時に一気読みをおすすめします。

おすすめ度:★★★★★

ザ・ハウス・オブ・グッチ (単行本)
サラ・ゲイ フォーデン (著), 実川 元子 (翻訳)
単行本: 431ページ
出版社: 講談社 (2004/09)
ISBN-10: 4062109700
ISBN-13: 978-4062109703
発売日: 2004/09
商品の寸法: 19 x 13.4 x 3.4 cm

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