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2009/11/16

映画「アンヴィル!夢を諦めきれない男たち」感想

「アンヴィル!夢を諦めきれない男たち」見てきました。
ドキュメンタリーだけど、深く人間を描き、しかもドラマチックな展開もあり、ヘヴィメタルに興味がなくても楽しめる、とても面白い映画でした。もしお近くの劇場で上映されているのならば迷わずご覧下さい。
anvil_20091116023848.jpg


内容は「1973年にカナダで結成され、『メタリカ』『スレイヤー』『アンスラックス』といった多くの人気バンドに絶大な影響を与えながら、自身はブレイクすることなく世間から忘れ去られた不遇のメタルバンド『アンヴィル』。かつて彼らのツアーにローディとして参加した経験を持つ「ターミナル」の脚本家サーシャ・ガバシがメガホンを取り、現在も夢をあきらめずに地元でバンド活動を続ける彼らの姿を追った音楽ドキュメンタリー。」です。

普通ドキュメンタリー映画って、素材がどんなに面白く興味深い題材でも、「こういう人がいました。そしてこうなりました。お終い」という淡々とした事実の羅列になったり、監督の主観的な解釈を延々見せられて不快になるのだけれど、これは監督の愛が伝染してANVILの二人が愛おしくなっちゃう映画です。

ともかく素材となったANVILのキャラクターが良いです。
1973年、高校生だったスティーブ“リップス”クードゥロー(ヴォーカル・ギター)とロブ・ライナー(ドラム)が出会い音楽を始めるのですが、20代の一時期ちょっぴり世間に認められるものの、その後はさっぱり目が出ず、世間からはすっかり忘れ去られていきます。でも彼らは決して諦める事なく50代になった今でもバンド活動を続けています。

子供のようにピュアなリップス、そしてそれを受け入れ共に生きるロブ、その二人を見守り続ける家族、バンドメンバー、頼りない東欧出身のマネージャー、歯並びが悪くていかにもうだつの上がらない感じのファンが実は・・・と、やらせじゃないのかと疑いたくなるくらい周辺の人物までメチャメチャ濃くて面白いです。宝石職人だったロブの父のエピソードも、まるで映画の登場人物のようです。

また、喧嘩して仲直りするシーンなど、出来過ぎなくらい二人の人間関係を見せていて、こういう友人を持てた二人が羨ましくなるシーンもあります。

夢を持ってそれに突き進んでも成功するとは限りませんし、もし成功しなかったら普通は夢を諦めます。ところが彼らは、50歳になっても決して諦めません。そして何より凄いのは家族が彼らを理解し応援してくれている事です。これってもの凄く幸せな人生だと思います。
映画「レスラー」と比較されているけど、家族も金も名声も失い、破滅的な結末に向かいダイブするランディとは全くベクトルが逆です。

もし自分の家族にこういう人がいて、この姉や妻のように応援し続ける事ができるかと言われたら即答できません。多分彼らが30代の頃は「もう諦めて他の仕事捜したら?」とか「売れそうな音楽にしたら?」って言われてたんじゃないでしょうか。
でも50代になっちゃった彼らには、私も「もう、思うように好きに生きて良い。」って言っちゃいますね。多分家族もこの10年くらいで悟りの境地に入ったんじゃないでしょうか?
姉の一人が「このバンドは終わってる」と言いつつも、彼らを理解していますし、別の姉は資金援助をします。母・姉・妻たちのインタビューにも夢を追い続ける男達の家族である葛藤が出ていて、ついもらい泣きしてしまいました。

多分レコード会社のディレクターの言い分が正しくて、彼らの音楽は時代遅れで、映画がきっかけで注目はされても、彼らはロックスターにはなれないでしょう。それでも彼らは彼らの音楽を続け、ロックスターになる夢を見続けて欲しいと思わずにはいられない映画でした。

監督は2005年から2年間、私費でドキュメンタリー映画を撮影し、プレミア上映にはダスティン・ホフマンを始めハリウッドスターが大挙して訪れ、キアヌ・リーブスは舞台で「僕が育ったカナダのトロントには、アンヴィルのポスターが街のいたるところに貼ってあったのを今でも覚えているよ」っと挨拶し、応援団長を買って出てロンドンプレミアにも行っています。確かアンヴィルを知った誰もが彼らを応援したくなるのが良くわかります。

アンヴィルの二人は30年もばかげた夢を追い続けています。ハゲかけたおっさん達が15歳の子供のように「ロックスターになるんだ」と言ってるのは滑稽です。

才能があって、努力しても報われるとは限りませんし、好きな事で成功できる人は一握りです。生活の為、いい年になったから、認められないから、色んな理由で人は夢を諦め、違う道を歩みます。ところが夢を諦めずこんなに素直に15歳の夢を追い続けている姿に、私たちは惹かれ応援せずにはいられないのです。




映画は1984年8月11日の西武球場で行われた“SUPER ROCK’84 IN JAPAN”への回想で始まり、2006年10月14日の幕張で開催された“LOUD PARK 06”で終わります。途中ストックホルムのロックフェスでも日本人ファンが出てきたりと、なぜか日本に関わりがある映画でした。

映画のなかで制作されたアルバムが気になってる人も多いでしょうね。amazonで「This Is Thirteen~夢を諦め切れない男たち~」が少し試聴出来ます。ボーナストラックとして『Metal On Metal』も収録されています。SONYのサイトでは「作品を購入頂き、ちょっとでもANVILに手を差し伸べてあげてください。」と音楽性より情に訴える説明がついてました…。う~む。切ない。

私はストラトヴァリウスくらいしか聞いた事ないんで、ヘヴィメタルって全然わからないジャンルなんですが、演奏者や聴衆が頭を激しく振ってる様子を見ると、絶対頭頂部に血が溜まって、脳障害が起こるに違いないと心配になります。検索したら本当に障害が起こるらしいのでヘッドバンカーはほどほどにして60歳70歳になってもロックスター目指してがんばって欲しいです。




原題:Anvil! The Story of Anvil
監督:サーシャ・ガバシ
上映時間:1時間21分
サントラ:This Is Thirteen~夢を諦め切れない男たち~
出演:スティーブ・リップス・クドロー、ロブ・ライナー、ラーズ・ウルリッヒ、レミー、スラッシュ
公式HP: http://www.uplink.co.jp/anvil/

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