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2009/10/12

映画「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」感想

「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」見てきました。原作を読んだことはありませんが、ある夫婦の愛や男女のありかたというものを松たか子が熱演していて見ごたえがありました。
villon.jpg

「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」は、太宰の同名短編小説を元に、大酒のみで浮気性の小説家を夫に持ちながら、明るく生きていく妻の姿を描く物語です。

…ということになってますが、これはズバリ共依存の女の物語です。

夫・大谷は本人の破滅指向に加え、妻への嗜虐心から罪を重ねたり心中してるようにしか見えません。
まぁ、駄目な自分を、どんな酷い目に遭わせても慕って支えてくれる美しい妻ってのは男のロマンなんでしょうね。
一方佐知は共依存で夫に依存される事に喜びを見いだし犠牲的な献身を行う、なんともお似合いのご夫婦です。これが愛であろうとなかろうと二人は幸せなんだろうなぁ~と思いました。

そんな台詞はありませんでしたが、佐和の行動からは「私がついていなきゃダメなの」「彼を分かってあげられるのは私だけ」「彼も苦しんでいるの」という共依存の女性が言うお決まりの言葉が聞こえてきそうでした。こんな依存症の両親のせいで病気になっても医者に診せてももらえす、夜遅くまで酒場で過ごしたうえおやつのサクランボまで食べられてしまう坊やがほんとに気の毒です。

こんなダメ男と一緒にいるより坊やと二人やり直しなさいと周りの人が言いそうですが、佐知にとっては文学的才能もあり流行作家で良い家のボンボンだし、なにより妻以外の人が見ている面は重要じゃないみたいな甘いセリフを憂い顔で呟ける破滅の男の方が堅実な工員や初恋の弁護士より魅力的なのでしょう。
佐和自身もこの状態が好きなんだろうな~というのは、大谷の目の前で稼いだ金を引き出しに仕舞うシーンでよく分かります。アル中の人間が見てるのに、酒の置き場を見せ誘惑してるような行為で、結局大谷をあの状態に追い込んでるのは妻・佐和です。

一方で、相手を巧みに操る魔物のような大谷に関わった人間は皆犠牲を払っています。椿屋の夫婦は金を、秋子は命を、岡田は佐知への恋心を、佐和は自立を大谷に捧げています。
たまにこういう抗いがたい魅力を持ったダメ人間っていますよね。適度な距離を取らないと本当に身の破滅になっちゃうタイプ。残念ながらこの映画の浅野忠信はそこまでの魅力は感じられませんでした。
松たか子、椿屋の室井滋、伊武雅刀などが良かっただけにちょっと残念でした。
まぁ私の好みでは無いだけで、あの臭いセリフで十分佐知の気持ちをつかんでるのかもしれませんけどね。

現代的な視線で見ると佐和の生き方はあり得ないですが、これを夫婦愛と捉え美しい物語になるあたり、時代が変わると物の見方・考え方が変わってしまうのが良く出ていて面白かったです。

監督:根岸吉太郎
原作:太宰治
脚本:田中陽造
上映時間:1時間54分
出演:松たか子、浅野忠信、室井滋、伊武雅刀、光石研、山本未來、鈴木卓爾、小林麻子、信太昌之、新井浩文、広末涼子、妻夫木聡、堤真一
公式HP http://www.villon.jp/

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「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~ 」★★★★ 松たか子、浅野忠信主演 根岸吉太郎監督、114分、2009年、2009-10-10公開                     →  ★映画のブログ★                      どんなブログが人気なの...
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