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2009/08/04

The Lovely Bones原作「ラブリー・ボーン」感想&予告編

ピーター・ジャクソン監督により映画化され、全米で公開予定の映画"The Lovely Bones"の原作「ラブリー・ボーン」読みました。

ラブリー・ボーンラブリー・ボーン
(2009/06/20)
アリス シーボルト

レイプされ殺された14歳の少女スージーが、天国から事件後の家族や友人たちの生活を見守り、犯人の半生も追っていくというせつなくもファンタジックな物語。スージーが殺されたことで、「死」に直面し、それぞれのかたちの悲しみを受け止めきれずに静かに崩れてゆく家族の姿と、彼らがふたたび悲しみを克服しひとつになるまでの再生を描いた感動の物語。 (「BOOK」データベースより)

スージーの鈴がついた帽子が表紙で、以前のよりも良い感じですね。


残忍な犯罪によって未来を奪われた少女の目を通して、人生や人の繋がりについて考え、家族の再生を描いている小説です。地上の家族・同級生・BF・犯人を見守るスージーの一人称は、淡々として時に切なく、温かく彼らをを見つめ、応援し、その悲しみや喜びを、密かに分かち合っていきます。

冒頭で語り手の14歳のスージーはレイプされ殺され天国に行くのですが、そこは自分の欲しい物は何でも手に入る穏やかな世界です。ただたった一つ手に入らないのは地上で愛する人々とともに暮らし成長する事。肉体は滅び霊的な存在になってもスージーは自分の死が受け入れられず、自分がいなくなったあとの家族やBFがどんな思いでいるか、天国を抜けだし見にいきます。
この突然未来を奪われた少女の欲しい物やしたい事が、ごくありふれたもので、読んでいて胸が痛くなります。

スージーの死に対し父は犯人を捕まえる事に執念を燃やし、母は娘を守れなかったという呵責に悩み、父と母の間には溝ができてしまいます。姉に似た面立ちの妹も、姉の死の重荷に加え被害者家族という立場で思春期を過ごさねばなりません。小さい弟は死を理解できず、思春期には姉の死を克服出来ない家族にいらだちます。
また淡い初恋の相手や同級生達も、スージーの死に少なからず影響を受け生きていきます。
犯人はすぐそばでのうのうと生きているのに、家族や友人の心に深い影を落とし、その現在と未来に大きな棘となってジンジンと痛み続けています。

家族のキャラクターがしっかり書かれているため、リアルで深い悲しみがひしひしと伝わってきます。もし自分の家族がもぎ取られるようにいなくなったらと考えると、本当に堪らないです。でも逆に自分が逝ったあと、残された家族がこんなに苦しんでいたらそれも辛いと思います。

この小説がユニークなのは家族の崩壊と再生を描きながら、死んだスージーが自分の死を克服する物語でもある点です。
ファンタジー小説ではありますが、死者の魂と残された家族の心が本書のラストのように安らかであって欲しいと願わずにはいられません。

とても読後感の良い小説ですが、最後ある人物に取り憑く(?)ところはちょっと頂けない展開だったのでマイナス1ポイントです。

おすすめ度 ★★★★
ラブリー・ボーン
単行本: 485ページ
出版社: ヴィレッジブックス (2009/6/20)
ISBN-10: 4863321619
ISBN-13: 978-4863321618
発売日: 2009/6/20
商品の寸法: 19.2 x 13.8 x 3.6 cm

映画は指輪物語のピーター・ジャクソンが監督し、パラマウント映画配給で2010年日本公開予定です。子供がレイプされ殺されるという衝撃的な設定の作品だけにどう映画化されるか気になります。

予告を見た限りでは主演のスージーをはじめキャストは皆良い感じですね。
レイチェル・ワイズが14歳の子を持つ母親役というのは早すぎる気がしましたが、ねちっこい演技が巧いので、この母親役も嵌りそうです。スーザン・サランドンも酒好きの祖母の役で、豪快な感じがぴったりです。
また犯人のミスター・ハーヴェイ役のスタンリー・トゥッチは2009年8月7日全米公開Julie & Julia にも出ています。

ケイデン校長役のトーマス・マッカーシーは扉をたたく人、デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~ にも出演していましたね。

スージー役シアーシャ・ローナン、妹リンジー役ローズ・マクアイヴァー 、サミュエル役アンドリュー・ジェイムス・アレン、レイ・シン役リース・リッチーなどティーンの演技も気になります。
どんな映画になっているか楽しみです。

原題:The Lovely Bones
監督:ピーター・ジャクソン
出演:シアーシャ・ローナン、レイチェル・ワイズ、マーク・ウォルバーグ、スーザン・サランドン、スタンリー・トゥッチ、マイケル・インペリオリ
脚本:ピーター・ジャクソン、フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボーエン
公式HP:http://www.lovelybones.com/
全米公開:2009年12月11日、日本公開:2010年1月29日
上映時間:139分
配給:パラマウント



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Comment
No title
前に、Pさんのブログで感想を拝見させてもらってました。(URL欄からその記事ヘリンク)
かなりキツい話ですよね。子供が犯され殺されるなんて。
感動物語になっているようですが、その設定を考えると辛そうで、会員になっているネット本屋さんの「あとから買う」ボックスに入れっぱなしです。

しかし、lifeonmarsさんの記事は、いつも冷静にポイントを押さえた感想で感心させられます。
オイラなら「こう思った」とか「ここで怒った」なんて書きそう(^_^;)映画の感想もそうだしね。
>サイズ君 さん
Pさんのリンクありがとうございます。他の方の感想読むのも面白いですね~。
私も設定聞いて躊躇してましたが、読んで良かったです。最後は明るい希望がみえる本でした。(でもいつのもように号泣しました。テヘヘ)

なんだかテキトーな感想なので、そう言っていただけるとおこがましいやら恥ずかしいやらでございますが、励みになります。ありがとうございます。
No title
天国の新しい形というのか、それぞれの天国って描写が良かったです。
確かに終盤の誰かさんに取り憑くあたりは好き嫌い別れるでしょうね。突然だし、ちょっと違和感。それでも私はそれを救いと感じたし、スージーのために嬉しい気持ちにもなりました。でもマイナスに感じるのもわかります!

あと犯人のラストが好きです。
日記ブログの方からトラバしてみました。

予告編、出てたんですね~。今日はひたすら暑くてだるくてようやく夜になって動き出したダメ人間の私です。
>Pさん
ほんと、あの天国がとても良かったですね~。
理不尽な暴力で命が奪われた人の魂も、あんな場所から私たちを見守っていてくれていると思うと、すこしだけ心が慰められます。一緒に暮らせないのは悲しいですけどね。

ラストで使った物って、自分だったら完全犯罪にはこれを使うという物が使われてましたね~。
トラバありがとうございます。

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