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2009/07/22

映画「扉をたたく人」感想

THE VISITOR
「扉をたたく人」見てきました。
原題の"The Visitor"をドラムを叩くのとだぶらせて「扉をたたく人」とした邦題が素晴らしいですね。まさに訪問者達との出会いによって自分らしさを取り戻す話でした。
アカデミー主演男優にノミネートされただけの事はある、言葉にできな様々な感情を秘めた人物をリチャード・ジェンキンスが好演していて見応えがありました。
ただラストがほろ苦くて、見終わってすっきりする映画ではありません。

ストーリーは「妻を亡くして以来、心を閉ざす孤独な男が、ひょんなことから出会ったジャンベ(アフリンカン・ドラム)奏者との友情を通じて次第に本来の自分らしさを取り戻していく姿を、9.11以降非常に厳格な措置を講ずるようになったアメリカの移民政策を背景に綴る。」というものです。

建国以前より移民によって栄えてきた国なのに、今では扉を閉ざし不法滞在者を国外退去にしているというアメリカの姿を、妻を亡くし心を閉ざしたウォルターという人物に投影させて描いた作品で、俳優でもある監督のトム・マッカーシーが脚本も担当しています。

注意:今回ネタバレ全開なので、もしこれから見るのを楽しみにしている人はお読みにならない方がいいでしょう。

実はアメリカ公開前に予告編を見てまして、映画を絶対みたいと思わせる素晴らしい出来でした。でもストーリーもキャストも地味そうだし、日本公開ないだろうな~と半ばあきらめていました。ところがアメリカで意外にヒットしたり、主演のリチャード・ジェンキンスがアカデミー主演男優にノミネートされたりしてるうち、日本公開のニュースも流れてきて、日本公開を心待ちにしていました。

しかし映画見てびっくりしたのですが、予告編にストーリーと見所がほとんどでていました。う~ん、こういう予告の作り方は良いんでしょうか、疑問です。まぁ見たい気持ちにさせるというのが予告の役割なのでそう言う意味では効果的だったのですけどね…。
THE VISITOR

感想ですが、ウォルターがタレクと心を通わせ、ジャンベを習い、周囲にも次第に心を開いていく前半の描写は凄く良かったです。心を開くきっかけがアラブ系の不法滞在者との交流というのも、人種や文化の多様性と寛容さがアメリカの力の源であるというストレートなメッセージでしょう。
ウォルターの「への字の口」が、笑い、会話をするようになる、心を開く過程が丹念に描かれ、会話中にも無意識にリズムを取るその姿に、もう孤独じゃないんだとほのぼのとします。

後半些細な事から逮捕され入国管理局の施設に収監されるタレクとウォルターの会話も、当初は恋人や母を案じた会話だったのが、安易な共感の言葉に思わず怒りをあらわにするように、次第に絶望の色が濃くなるのにはウルウルしてしまいました。
最後アメリカの国旗がぼけていくシーンも途中の入管施設のポスター同様アメリカの「理想」と「現実」の違いに対する皮肉となっていて、色々考えさせられるシーンでした。

THE VISITOR

でも、ラストの地下鉄でジャンベを叩くシーンが救いがないというか、ただ怒りをぶちまけるだけで何の希望もありません。

地下鉄構内で演奏するには、それなりのクオリティの演奏じゃないと地下鉄利用者の迷惑なのでオーディションを受け許可取らないと不法です。
「なんにも悪いことしてない」とか「いい青年」だからと言って、不法滞在して良いのかと言う問題と一緒です。

結局ウォルターは最初に戻っただけで、何も解決しませんし、具体的な行動もしていません。
ウォルターはアメリカの問題に気づいたのだから、ジャンベで叫ぶだけじゃなく、何か出来る事はないんでしょうか?
あのラストのせいで、タレクが施設に収監されている間も、弁護士頼む以外に知人やツテ使ったりしてもっと助ける方法あったんじゃないかと思えてきました。
何もしない主人公にモヤモヤしてしまいました。そういう味わいの映画なんでしょうけどね…。
良く出来てるとは思いますが、後味が苦い映画です。
特に映像的な見所はないので、大きなスクリーンにこだわる必要は感じませんでした。DVDでも良いと思います。

ハリウッド式希望のもてる結末じゃ嫌だという強者にお勧めします。



原題: THE VISITOR
監督・脚本: トム・マッカーシー
音楽 ヤン・A・P・カチュマレク
出演:リチャード・ジェンキンス、ヒアム・アッバス、ハーズ・スレイマン
上映時間: 104分
公式HP:http://www.tobira-movie.jp/

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Comment
No title
こんにちはー。
これもまたよさそうな映画ですね。
映画はやっぱり映画館で見るのが一番ですよね。
わたしも映画代が高いとか言わないで
ハーゲンダッツより映画に
お金を使うべきと反省しました。v-16
>penpen さん
いや、ハーゲンダッツも人生には必須です!!
たま~に食べると幸せを実感します。

えっと、映画はもっぱら水曜日のレディースデイか深夜のレイトショーを利用してます。他にも割引サービスやクーポンもお得ですよ。
DVDならゲオは8月末まで旧作¥100。まだ見てない旧作借りようと張り切ってます。

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