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2009/07/14

映画「サンシャイン・クリーニング」感想

SUNSHINE CLEANING
「サンシャイン・クリーニング」見てきました。大きな出来事が起こるわけでも、人生の負の部分がすっきり解決するわけでもないけれど、じんわり余韻が残る良い映画でした。

ストーリーは「シングルマザーのローズは、ハウスキーパーの仕事をしながらオスカーを育てている。彼女の妹ノラはいまだにアルバイト生活をしながらの実家暮らし。ある日、息子が小学校を退学になったのをきっかけに、姉妹は事件現場のクリーニングというヤバそうな仕事を始める。」というものです。

エイミー・アダムス演じるローラは、高校時代はチアリーダーでアメフト部の彼がいて、みんなのあこがれの的だったのに30台の今ではシングルマザーで仕事はハウスキーパー、かつての恋人と不倫中。
妹・ノラ(エミリー・ブラント)は、いまだに父親ジョーと同居、学歴もなく仕事も続かない、父ジョー(アラン・アーキン)はお菓子の訪問販売や海老で一攫千金を狙うが、明らかに商才がない、ローズの息子オスカーは、問題行動が元で小学校を退学、っと家族全員問題を抱える何をしてもダメダメな一家です。
ローズが自己暗示をかける言葉「私は強い、私はパワフル、私は勝者」がむなしく聞こえる程、本当は完全に「弱者で敗者」な主人公を描いた作品です。

人は常に一番良いと思う選択をして、その結果現在があるわけですが、ある年齢以上になると、何でこうなっちゃったんだろう、どこで間違ったんだろう、と思う人は多いでしょう。そういう人にとってこの姉妹は凄く共感できるキャラクターです。

今はリッチになっている高校時代の同級生に遭って、つい見栄を張ってしまうシーンなど、駄目な現状を受け入れたり打破できないダメ人間ならではの駄目さで、同じくダメ人間の私にはものすごく良く分かり共感しまくりです。

そんなローズが息子を私立に入れるために高額報酬が期待できる事件現場のクリーニング事業を妹を巻き込んで始めます。
この姉妹が掃除する死の現場には、悪臭と共にその死者の人生や生き様が鮮烈に香っています。そういう他人の人生や生き様を見、掃除する事によって姉妹の心の中にだんだん変化が訪れます。
sunshine_cleaning

最初はろくな経験も専門技術も持たない姉妹ですが、クリーニング用品店のウインストンの助けもあり、単に金儲けの手段として掃除してるんじゃない、死者を出したクライアント家族の心のケアをし苦しみを産む現場を綺麗にすることで人を助けている仕事なんだと気づきます。(ただ、この辺りの描写があっさりしすぎているのがちょっと残念ですね。もっと仕事にやりがいや誇りを持っているシーンも見たかったです。)
妹ノラもある遺品を遺族に届けようとした事から、自分の中のわだかまりに向き合いそれを告白出来るようになります。

しかしそんな明るい兆しが姉妹に見えはじめたとたん、また失敗してしまう姉妹。う~ん。人生甘くないというか気の毒なくらいリアルですね。ダメな時は何やってもダメなんですよね…。

その失敗を受けて姉妹がレストランのトイレで喧嘩をするシーンは、小さい時から姉が妹を見守っていたのを感じさせるとても良いシーンでした。
二人の顔立ちが結構似てる事もあり、とても自然でした。この映画の素晴らしい点はキャストですね。
エイミー・アダムスが美人なのに何をやっても駄目で、だからといって現状打破のため資格取得頑張ってるかというと、意志が弱く流されて不倫してる、すこし寂しげで不幸な感じがはまってます。「魔法にかけられて」の薹の立ったプリンセスっぷりや「ダウト」の純真だけど疑惑に踊らされてしまうシスターとは全く違うキャラをリアルに演じています。
エミリー・ブラントも母の面影を追い、人生に目標を持ったり自発的に何かを始められない無気力な感じも良かったです。
またアラン・アーキンの飄々としたお爺さんもとても良いキャラクターでした。

息子オスカーの誕生日祝いの晩、姉妹は人生から小さな贈り物を受け取ります。そして彼女はそれをある言葉にします。ここに映画作り手の「人生上手く行かないことも多いけど、それでも良いこともあるよね」という暖かなメッセージを感じました。

ただ、妹の好意も実を結ばず何も解決しませんし、息子の学校も話し合いで解決するでもなく、単純なハッピーエンドでもありませんので、受け付けられない人もいるでしょう。
いわゆるミニ・シアター系の作品なので家族の再生の物語として過剰な期待をすると肩すかしでしょうが、見終わって爽やかな余韻が残り、もう少しだけ頑張ってみようかな~と思わせる希望の持てる作品でした。

それにしてもウインストン役のクリフトン・コリンズ・Jr.はちゃんと両腕のある俳優さんなんですね。VFXがとても自然だったのに驚くと共に、片手という設定に何の意味があったかちょっと疑問が残りました。あと作中に出てくるペカン・パイがものすごく食べてみたくなりました。

どちらかと言うと自分は負け組かな~と思う人、または人生の機微が分かる一定年齢以上の人にお勧めしたい映画です。

原題: SUNSHINE CLEANING
監督: クリスティン・ジェフズ
出演:エイミー・アダムス、エミリー・ブラント、ジェイソン・スペヴァック、クリフトン・コリンズ・Jr.、スティーヴ・ザーン、メアリー・リン・ライスカブ
上映時間:92分
公式サイト:sunshine-cleaning.jp

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映画の感想 | Comments(8) | Trackback(0)
Comment
No title
こういう映画、好きです。これはほんと!見てみたい!
しかし、小学校退学ってあるのですね。
こんにちは
この映画、私もマークしています。
「リトル・ミス・サンシャイン」からタイトルを頂いていますね。

>姉妹がレストランのトイレで喧嘩をするシーンは・・・・

この記述でとくに観たくなりました(笑)。
アメリカの映画でよくみます。子供のころから兄、姉は自分が弟・妹を
看てやらなきゃ、というある種の使命感みたいなもの持っているんですね。
このトレイラーを観終わって、下に他の映画のトレイラーがあり、観たいのが
ありました。「クララ・シューマン/愛の協奏曲」「ココ・シャネル」・・・。
>サイズ君 さん
> しかし、小学校退学ってあるのですね。

アメリカの映画・TVじゃたまにありますね~。
日本じゃ考えられないですけど・・・。
No title
少し気になってた作品なんですが
lifeonmarsさんの記事読んで、見たくなってきちゃいました
私もダメ人間なもので(^^;共感できる部分が多そう~
>エリアンダーさん
> 「リトル・ミス・サンシャイン」からタイトルを頂いていますね。

監督・脚本は違いますがプロデューサーが同じなので、一応サンシャインシリーズ第二弾なのだそうです。

> 子供のころから兄、姉は自分が弟・妹を看てやらなきゃ、というある種の使命感みたいなもの持っているんですね。

四~五歳の小さい子がお姉ちゃんやお兄ちゃんだからと頑張ってる姿を見ると、こんなに小さいのになんて偉いんだと感心します。まぁ、下の子が大きくなると、兄姉に張り合って喧嘩ばかりになっちゃうのかもしれませんが…。

> 「クララ・シューマン/愛の協奏曲」「ココ・シャネル」・・・。
次々気になる映画が公開されますよね~。楽しみです。
>まる さん
そうですか~。ご都合がついたら是非どうぞ。
じんわりと余韻の残る作品でした。
ミニシアター系で、上映館が少ないのが残念です。
No title
こんばんは!

エイミー・アダムス・・・どこかで聞いた名前だ・・・と思ってたら「魔法にかけられて」のヒロインでしたか!?あれはハマッたので、この「サンシャイン・クリーニング」も気になってきましたぞ^^

しかし、魔法が出てきそうなタイトルにも感じましたが、いやはや痛そうな作品なんですね~(笑;)。

ガツンと応援いきます♪凸

>umetraman さん
そうです、そうです「魔法にかけられて」のプリンセスです。
とっても表情がかわいくて大好きなんですよ~。
作品もコメディや心理劇などの他、「ナイト ミュージアム2」なんて娯楽大作にも出ていて、演技の幅が広い女優さんです。
「サンシャイン・クリーニング」はちょとダメな姉妹の話で大きな事件も起こらないため、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、じんわり心に染みる映画でした。

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