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2009/07/07

「女教皇ヨハンナ」感想 Pope Joan(原作)

「女教皇ヨハンナ」読みました。男尊女卑の時代に向学心に燃えて困難に立ち向かうヒロインの強さを臨場感あふれる文章でテンポ良く描き、一気に読ませるとても面白い歴史小説でした。

女教皇ヨハンナ (上) 女教皇ヨハンナ (下)
女教皇ヨハンナ (上)(2005/10)ドナ・W.クロス
女教皇ヨハンナ (下)(2005/10)ドナ・W.クロス
カトリック教会の公式記録から抹消され、伝承としてのみ語られてきた男装の女教皇。ヴァチカンが実在を否定しつづける伝説のヒロインが、いま歴史の闇から解き放たれる。歴史エンタテインメント


歴史の片隅にいたとされる女教皇の伝承を膨らませ、一人の女性の生き方を生き生きと描いた作品です。
時々フェミニズム全開の鬱陶しい発言や、時代的に色々突っ込みどころも多いですが、さくさく読める面白いエンターテイメント小説でした。

ヨハンナは兄たちと違い、文字を学ぶことも本を読むことを禁じられ、母の手伝いをすることを期待されます。師に巡り会い学問を修めるようになっても、無理解な父に妨害されたり、その後も女性であるが故の困難にぶち当たります。しかし彼女の向学心を止める事はできません。

ふと山岸凉子の「天人唐草」を思い出しました。
時代錯誤なまでに厳格な父にしつけられた娘が、狂気に至るまでの心理を描く作品ですが、当時読んだ女の子達から自分の境遇に似ていると共感する声が多数上がったのです。
そこまで厳格じゃなかったけど兄や弟とは違った、女の子なんだから○○しなさいと言われた、進路でもめたなどなど。現在では色々変わっていると思いますが、私たちが少女だった時代はまだまだ「女の子だから」で始まる小言が多かったのです。
多分この本の著者(1947年生まれ)のような才能ある女の子は、女であることで苦労した世代なんだろうなぁと思いました。
「人は女に生まれない。女になるのだ。」とは良く言ったもので、いつになっても多かれ少なかれ社会的・文化的な性差別はあるものです。
逆に男の子は「男」であることを求められるので、どっちが良いかなんて断言はできませんが。

男の跡継ぎもいないのにゲロルトが浮気もせずリヒルトを嫁にしたまま寝室別だなんてあり得ないとか、ヒロインも、師アスクレピオスも、ヒロインを助けるゲロルトやアルンも非常に現代的な思想の持ち主とか多少違和感もありますが、ストーリーに勢いがありテンポ良く進むのであまり気になりません。(でも、フェミ嫌いの人は苦手かもしれません。)

この小説はアメリカ人作家によるものですが、ヨハンナの生まれたドイツで非常に売れ映画化企画されたというのが面白いですね。ひょっとしてドイツの方が男社会なのでしょうか?

上巻表紙はカルロ・クリヴェッリ1477年頃描いた「マグダラのマリア 」、下巻表紙は1482年頃描いた「聖ペテロと聖ドミニクス」です。
主イエスの御足に香油を塗り自らの髪の毛でそれを拭ったとされる聖女、聖ペトロは初代のローマ教皇です。表紙として美しいだけじゃなくなかなか意味深ですね。

さて、映画はドイツで2009年10月29日公開予定です。この予告編を見てから原作読んだのでゲロルトがデイヴィッド・ウェンハムで脳内再生され困りました。
ヨハンナはインパクトに欠ける気がしますが、色々紆余曲折あったみたいなので仕方ないのかな~。
本を読んで改めて予告見ると本の色々なシーンが入っているのに気づきます。結構小説に忠実に作ってありそうで楽しみです。

「女教皇ヨハンナ」
原題:Pope Joan
監督:ゼーンケ・ヴォルトマン監督
出演:ヨハンナ・ヴォカレク,デイヴィッド・ウェンハム , イアン・グレン,ジョン・グッドマン
原作:女教皇ヨハンナ (上)、女教皇ヨハンナ (下)ドナ・W.クロス著 阪田 由美子訳 
ドイツ公開:2009年10月29日
IMDb http://www.imdb.com/title/tt0458455/



天人唐草―自選作品集 (文春文庫―ビジュアル版)天人唐草―自選作品集
(文春文庫―ビジュアル版)

山岸 凉子


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女教皇ヨハンナ"PopeJoan"の予告編 
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映画の原作本 | Comments(6) | Trackback(0)
Comment
おはよう
各シーンが重厚で名画の趣がありますね。

数年前本屋でよく見かけた美しい装丁の本で、
何度か手に取ったのですが、厚さに負けて購入を
見送りました。読みやすかったそうですので再挑戦
するかな。才能がありながら女性というだけで埋もれていった
女性の伝記は好きです。
ファニー・メンデルスゾーン、クララ・シューマン、ロザリンド・フランクリン・・・
No title
こんにちは。
『女教皇ヨハンナ』映画情報、ありがとうございます。
数年前に原作を読みました。映画化の事が後書きに触れていたのに、
その後とんと情報皆無でしたので嬉しいです。
確かに、如何にも女性作家の作品という感は否めませんが、
仰っしゃる通りテンポ良く読み進められますね。
現代風の翻訳だからでしょうか。
ドイツで映画化される、という事も知りませんでしたので、
勝手にキャスティングして「ヨハンナはティルダ・スウィントン」とイメージしていました。
日本でも映画が公開されますように。
>エリアンダー さん
どちらかと言うと伝記小説というより歴史ロマンですね。
ハーレクインっぽい部分もあり、読み物として楽しませてくれるエンターテインメントです。
図書館にもあるかもしれませんよ~。
>湛さん
> 現代風の翻訳だからでしょうか。
成る程、それもあるかもしれませんね!翻訳、分かりやすい文章で読みやすかったです。

> 勝手にキャスティングして「ヨハンナはティルダ・スウィントン」とイメージしていました。
わぁ、あの透明感がぴったりですね!私もティルダで見たかったです。

日本公開、本当にあると良いですね。
No title
こんばんは。

なにげなく手に取ったらあまりのおもしろさに一気読みしてしまいました。
仰る通り、まさにエンタテイメント、ピカレスクロマンですよね。

ちょうど映画公開も今年で、待たされ感がすくなくてよかったと思っているところですが、
ドイツ映画ということもあり一抹の不安を抱きつつ、日本公開してほしいところ。(地方公開もぜひ!(笑))
予告編がなかなか美しくスリリングに仕上がっていて期待大です。
フランカ・ポテンテでヨハンナ見たかったんですけどね。
「天使と悪魔」以来、はからずもローマ教皇ブームが続いてしまっています。
>bergamot さん
> 仰る通り、まさにエンタテイメント、ピカレスクロマンですよね。
まさにピカレスクロマンで、しかも女性が主役という爽快な作品でした。

私も前に名前が挙がっていた女優さんで見たかったのですが、この女優さんも注目株らしいですよ。
「海から始まる!?」さんで詳しく取り上げられていました。
よろしければご覧になってみても良いと思います。
http://umikarahajimaru.at.webry.info/200907/article_12.html

> 「天使と悪魔」以来、はからずもローマ教皇ブームが続いてしまっています。
はい。わたくしもそうです(笑)。
日本でも公開されるように、一緒にカメルレンゴさんにお祈りを捧げましょう。

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