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2009/05/24

「わたしのなかのあなた」My Sister's Keeper原作感想

キャメロン・ディアス主演、アビゲイル・ブレスリン出演で、2009年6月26日全米公開予定の”My Sister's Keeper”の原作「わたしのなかのあなた」読みました。

デザイナーベイビー・臓器移植・訴訟という重い題材を扱っていますが、小説は家族のドラマがテーマとなっています。
物語は家族や訴訟に関わった弁護士・訴訟後見人それぞれの視点から語られるので、娘視線では母の身勝手と思えた行動が次章の母目線になると果敢に娘の病と闘う苦悩が分かるという一人一人の心の機微が見え厚みのある物語になっています。

わたしのなかのあなた (Hayakawa Novels)わたしのなかのあなた (2006/09)
著者:ジョディ ピコー
アナ・フィッツジェラルドは13歳。白血病を患う姉ケイトのドナーとなるべく、遺伝子操作によってデザイナー・ベイビーとして生まれてきた。
それ以来彼女は、臍帯血の提供にはじまって、輸血や骨髄移植など姉の治療のためにさまざまな犠牲を強いられてきた。ケイトの病状は一進一退を繰り返し、両親はついに残された最後の手段である腎臓移植を決意する。
だが、アナはこれを拒み、弁護士を雇い両親を相手取って訴訟を起こす。「もうこれ以上、姉の犠牲にはなりたくない。自分の体に対する権利は自分で守りたいの」と。突然の娘の反乱に戸惑う両親。しかし、アナの決意は変わらない。はたして前代未聞の裁判の行方は?そしてケイトとアナの姉妹の運命は…!?(「BOOK」データベースより)
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デザイナーズ・ベイビーは許されるのか、子供の生体腎臓移植は誰が判定するのかというのは倫理的にも大きな問題だと思います。

元弁護士の母サラや消防士の父ブライアン、息子ジェシー、ケイト、アナ、どの立場も理解でき、自分だったらどうするだろうと考えずにはいられません。

アナは姉のドナーとなるべく生み出された存在でドナー以外の価値があるのか親の愛情を疑う場面もありますが、一方で姉とは友達以上の強い絆と愛情で結ばれています。
重病の家族がいればそれが家族の一大事、それ中心に回ってしまい、疎外感を覚えた長男が問題ばかり引き起こす気持ちも分かります。
しかし母のできる事は何でもして白血病の娘ケイトを助けたいという気持ちも良く分かり、誰が正しいのか、どうするのが正解なのか答えを出すのが難しい問題です。アナが臓器移植を拒否するのは、姉ケイトの死刑宣告と同じです。
そして訴訟が始まる数日の間にも姉ケイトの病状はどんどん悪化し臓器移植のタイムリミットが迫って来ます。

私自身未熟児として生まれ、たぶん100年前だったら育つ事無く死んでいた、医学の発展の恩恵を受けた人間です。
また、身内が病に倒れれば、躊躇なく自らドナーになって臓器を提供すると思います。
でも他人事として「もう一人の娘を助けるために子供を作り、切り刻む」とだけ聞いたら、なんと身勝手な母親だと不快に思い、その「いのち」に対する不遜な態度に腹が立つでしょう。
臓器提供という大きな犠牲を娘に迫るというのは一種の虐待ですし、断る事のできない心理的な圧迫も許し難いと思います。

旧約聖書の父アブラハム(そういえば妻の名前はサラですね)によって神に供えられるイサクのようにアナは抵抗せず屠られるべきなのか、それとも断って姉を見殺しにした妹として生きるか、この家族や弁護士に自分の身を置き換えて考えてもこれが絶対正しいという答えがでません。

小説はクライマックスで意外な展開をとげ、この大きな問題に作者は直接答えを出していません。
こういう問題に正解はなく、読者がそれぞれ答えを出すしかないという事でしょう。
でも私はこのラストに作者の逃げを感じ納得出来ませんでした。
家族の物語として良くできているし、倫理的にも色々考えさせられましたが、最後のせいでマイナス20点です。

おすすめ度:★★★★

わたしのなかのあなた (Hayakawa Novels)
ジョディ ピコー (著), Jodi Picoult (原著), 川副 智子 (翻訳)
単行本: 630ページ
出版社: 早川書房 (2006/09)
ISBN-10: 4152087633
ISBN-13: 978-4152087638
発売日: 2006/09
商品の寸法: 18.4 x 13.2 x 3.4 cm

My Sister's Keeper映画はキャストを見る限り、弁護士と後見人の恋愛はばっさり切るようですね。予告見たら犬はいたので設定はそのままかもしれません。
内面の心理描写が多い本なので、そのままだと独白だらけの話になりそうですが、「きみに読む物語」コンビの監督・脚本なので深いテーマでも重すぎずさわやかな感動を呼ぶ家族ドラマになっていそうです。
日本のワーナーブラザースHPには今のところ載っていませんが、キャメロン・ディアス主演ですし姉ケイト役ソフィア・ヴァジリーヴァの美しい金髪を剃った体当たり演技も見たいので公開してほしいですね。

原題:My Sister's Keeper
監督:ニック・カサヴェテス(「きみに読む物語」)
脚本:ニック・カサヴェテス、ジェレミー・レヴェン
出演:キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリン、ソフィア・ヴァジリーヴァ、ジェイソン・パトリック、アレック・ボールドウィン
全米公開:2009年6月26日
日本公開:2009年12月予定( ギャガ・コミュニケーションズ配給 )


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Comment
すごいお話ですね。
日本ではここまでなくてもアメリカではありそうな話ですね。
遺伝子操作で生んじゃうところが凄いです。
判断が本当に難しいですね(lll_□_ ;lll) 
>ママ美さん
アメリカで実際に兄弟の治療のために下の子を産んだケースがあり、そのインタビューを見て書かれた小説だそうです。
医学の発達スピードが速くて倫理の議論が追いつかないですね。
はじめまして
読み応えのある濃い内容のブログで最近通い詰めています(笑)。

「わたしのなかのあなた」読みたくなって、いろんな書評サイトを見て回りました。え、意外なラスト?ますます読みたくなりました。「重力ピエロ」を読了したら読んでみようかな。
>elleanderさん
elleanderさんのキレがある文章、毎回楽しく拝見しております。
コメント頂けると大変励みになります。ありがとうございます。

私も「重力ピエロ」気になっております。これは映画見てから読んだ方がよさそうですよね?

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