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2009/02/15

映画「ディファイアンス」感想

「ディファイアンス」見てきましたが、俳優の演技がとても良く、映画の題材も実話なのにドラマチックで面白かったです。

第二次世界大戦史上もっとも成功したユダヤ人抵抗運動を指揮したビエルスキ兄弟は、戦争が始まるまでは政治家でも実業家でもない、ただの商店主と農夫でした。
期せずして森のユダヤ人達のリーダーとなったトゥヴィアは、リーダーとしてのカリスマ性があるわりに決断できず迷ったり、復讐して悩んだりと複雑な性格で、ダニエル・クレイグが繊細な演技でこの多面的なキャラクターを演じています。特に白馬に乗って「今日は人生最良の日だ。君たちが来てくれたからだ。歓迎する」の下りは非常に格好良くて「もう一生ついて行きます!」って感じでした。
三男アザエルは物語が進むうちに精神的にも成長をとげ、兄や仲間を鼓舞する場面は非常に感動しました。ジェイミー・ベルは成長する過程をしっかり演じ分けており、あのリトル・ダンサーの子役がこんな良い演技をする立派な俳優さんになっちゃって・・・っと親戚のおばちゃん気分で非常に嬉しかったです。
また次男ズシュはホームとなるべき共同体を離れロシア軍と合流し兄弟を語るシーンは、兄弟間の葛藤や愛情が良く分かり、いつも手堅い演技のリーヴ・シュレイバーだけの事あるなぁと演技の巧みさを再確認しました。
脇を固める三兄弟の相手役3人の女優さんもそれぞれ個性的で良かったですが、編集者イザック役のマーク・フォイアスタイン(イン・ハー・シューズのメニュー選びが天才的に上手な弁護士サイモン役)と教師ハレッツ役のアラン・コーデュナーが魅力あるキャラクターで物語に深みを与えていました。

一方ズウィック監督は「ラスト・サムライ」「ブラッド・ダイヤモンド」などメッセージ性とエンターテイメントのバランスが上手なのですが、今回は森に隠れて抵抗するという動きの少ない題材の為にちょっと苦労したようです。史実を少し脚色し武器を持って直接敵と戦う次男と、生き延びる事が復讐だとする長男の対比になってました。
「自由の日々を手に入れることが、俺たちの勝利。真の生を勝ち取る為にたとえ死ぬことがあっても、俺たちは少なくとも”人間らしく”死にたい」
「10人のナチの兵士を殺すより、一人のユダヤ人老女を助ける」というトゥヴィアの理想と、ズシュの人数が増えればそれだけ危険が増すという現実論のぶつかり合いは物語を分りやすくはしてますが、その結果ただの兄弟喧嘩になってしまい本当の敵はドイツというのがぼけてしまった感じです。残念ながら脚本は史実の面白さに勝っておらず少し残念でした。
でも復讐のため村人を殺し、食料調達のため農民を襲い、仲間を粛正し、捕虜の扱いが酷いという暗部もきちんと描いているのは公平で、ズウィック監督らしいなぁと思いました。

合流したりゲットーから脱出させたユダヤ人がしだいに増え老人・女性・子供・病人などできるだけ多くのユダヤ人の命を救おうとするが、飢えや寒さ、ドイツ人に居場所を突き止められないよう常に移動しながら共同体を運営するのは非常に困難だったでしょう。
この時のトゥヴィアのリーダーとしての苦悩や葛藤がリアルで、沢山の人の命がかかってる決断というのは生やさしいものではなかったというのが伺えます。
最善と思って決めたことが最良の結果を生むとは限らないのは良くある事ですよね。
グループを運営する・指導力を持つという事は、頭が良く・一生懸命やり・力があるだけではなく、「この人に付いていきたい」と思わせる「何か」もないと、そのグループは方向性や求心力を失ってしまいます。その辺りを個人崇拝にならない範囲できちんと描いていますね。

ともかく元の話自体が面白い素材なので、そのパワーで最後まで見せてしまう映画です。
俳優も良く、ロケ先の風景も綺麗だし、あと少し脚本が練られていたらもっと面白くなったと少し残念です。ズウィック監督の前作「ブラッド・ダイヤモンド」みたいな派手さはないけど、歴史秘話として興味深くもっと兄弟の事を知りたくなった人も多いでしょう。
それにしても公式HPのSTORYは全部書きすぎで驚きました。ここまで書いて良いのか心配になります。

映画原作はネハマ・テック著「ディファイアンス ヒトラーと闘った3兄弟(単行本)」 が最近復刻されました。
またピーター ダフィ著「ビエルスキ・ブラザーズ―無名の三兄弟が演じた奇跡のユダヤ人救出劇(単行本) 」の感想はココに書いています。

原題:Defiance
監督:エドワード・ズウィック
製作:エドワード・ズウィック、ピーター・ジャン・ブルージ
脚本:クレイトン・フローマン、エドワード・ズウィック
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
上映時間:2時間16分
キャスト:ダニエル・クレイグ、ジェイミー・ベル、リーヴ・シュレイバー、アレクサ・ダバロス、アラン・コーデュナー、マーク・フォイアスタイン
公式HP:http://defiance-movie.jp/

Defianceディファイアンス プレミアム・エディション [DVD]
発売日:2009/09/02
ダニエル・クレイグ、リーヴ・シュレイバー

商品詳細を見る


予告は映画公式サイトでどうぞ。more...>>以降にメイキング映像置いてます。

関連記事:
「ビエルスキ・ブラザーズ―無名の三兄弟が演じた奇跡のユダヤ人救出劇 」感想
スピルバーグのタンタンにジェイミー・ベルとダニエル・クレイグ出演
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映画の感想 | Comments(2) | Trackback(1)
Comment
Daniel Craigって
彼、ジャック・ケルアックに似てますよね。

先日たまたまビートニクのドキュメンタリーを観ていたもので、ケルアックの古いインタビューをみながら、「あージェームス・ボンドに似てるなぁ。」と思ってしまいました。
>LimeGreenサマ
おお!確かに似てますね~、と言いたいところなんですが、実はその方を知らなくて、急いでイメージ検索しましたところ、本当に似てますね!特に斜め45度の角度はそっくり。機会があったら著作も読んでみたいです。

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ディファイアンス DEFIANCE (2008) 1941年。 戦時下のドイツにおいてユダヤ人を救った自身もユダヤ人であるビエルスキ兄弟を描いた作品。 オス...

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