--/--/--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告
2009/02/05

映画「オーストラリア」感想

バズ・ラーマン監督の「オーストラリア」を試写会で見てきました。

オーストラリアの自然が雄大で素晴らしく、ニコール・キッドマンがとても綺麗でした。またヒュー・ジャックマンがすっごく逞しくて格好いいです。さすが世界で一番セクシーな男に選ばれるだけあります。
アボリジニと白人の混血ナラ役のブランドン・ウォルターズが可愛いし演技もナレーションも上手で、これからが楽しみです。この子は幼いながらも白血病を克服した経験があるなんて読むとこれからも絶対応援しなくっちゃって気になってしまいます。
しかし何と言ってもアカデミー賞の衣装デザイン賞にノミネートされただけあって、衣装が素晴らしい。
イギリスでの乗馬服、オーストラリアへの旅服、ダンスパーティでのチャイナ風のドレス。どれもうっとりするくらい綺麗です。
特にオーストラリア上陸時の紺と白のスーツはイギリスの貴婦人っぽくてとっても素敵でした。こういうマーメーイドライン服って私も持ってるけど、身長がある程度ないと映えないんですよね。膝下の長いニコールは文句なしで美しく着こなしています。イギリスでの乗馬服もきりりとした貴婦人ぷりを演出してて良かったです。

Nicole Kidman

さて、だらだらと褒めたけど映画自体は長くて退屈で演出が臭くて脚本がダメダメな駄作でした。もう人物描写がペッラペラの薄さで見ていてムカムカしました。

ニコールはイギリス貴族でオーストラリアに1年行って帰ってこない夫を迎えにオーストラリアに来るんだけど、その夫がオーストラリアのどこに魅せられて居残ってたか分らない。人物の背景については全て台詞で語られ、全然映像がないんですよね。雨期で一斉に蘇る砂漠映像でも入れて「あぁ、これ見て夫は帰って来なかったのね」みたいに妻が納得する場面が欲しかったです。冒頭で死ぬわ嫁はとっととヒューに惚れるわで、もう全然浮かばれない夫です。
ニコールも貴族の奥様なんだけど、気位が高いというよりただのカマトト(死語)っぽい演出で、コミカルな場面にはなっていますが、もっと貴族的な勘違いが見たかったです。
ヒューは無骨なカウボーイ、ドローヴァー役、髭生やして汚い服着ても綺麗で格好いいので全然リアリティがありません。だいたい水浴びするのにズボンをはいたままってあり得ないです。けちけちせず、スパッと脱ぐべきですよね!

1500頭の牛を連れて大陸を横断するシーンは見応えがあってここだけは良かったです。(ここで終わったらそこそこ満足できる映画だったかもしれません。)逆に船に積み込むシーンは豪華で壮大な見せ場のはずなのに、簡単に解決しちゃって「えっ?それだけ」って拍子抜けしました。

まぁそれでも俳優陣は総じて頑張ってました。脚本がグダグダじゃなく演出が良かったら面白くなった素材でお金も掛かってるのが画面からも伝わって来て本当に勿体無いです。あるいは映画じゃなく4回連続のTVドラマだったら傑作になったかもしれません。詰め込みすぎ・長すぎ・無駄に壮大な音楽や効果音も空回りしてるし港の風景はCG臭くてがっかりです。
写真家アニー・リーボヴィッツによる写真がファッション誌「ヴォーグ」に掲載されましたが、それの方がまだ人物に物語性を感じました。映画にしないで全編アニー・リーボヴィッツの写真集にした方が感動したかもしれません。

【アニー・リーボヴィッツ撮影の写真】
australia

それでも「盗まれた世代」というオーストラリア・アボリジニとトレス海峡諸島の混血の子供の問題を正面から描いているのは評価できますし、アボリジニの文化についての描写は興味深かったです。また日本軍によるダーウィン空爆は日本ではあまり知られていないので知るきっかけになりました。(ただ、上陸はしてないので、あんな事はしてないと思います。)

あと、折角ロケをいっぱいしてるはずなのに、同じ樹が毎回映ってるのは何か意図があったのでしょうか?日本人の私にはあの樹が繰り返し同じ位置(画面左側)に出てきた意味が分りませんでした。何かアボリジニの宗教的なもの・オーストラリアの人々にとって象徴的な枝振りで意味があるならHPでも良いので説明があればと思いました。

ニコールはバズ・ラーマン監督だったので脚本を読まずに出演を決め、ラッセル・クロウが降りた時ヒュー・ジャックマンに強く出演を薦めたそうですが、二人とももっと脚本を選んで出演した方が良かったと思います。無論水害で屋外セットが流されたりと色々アクシデントはあったと思いますが、撮影前から期待して待ってた分もの凄くがっかりしました。同じオーストラリアのカウボーイ役なら"Paperback Hero" (1999) の方が単純なラブコメだったけどよっぽど良かったです。(正確にはトラック運転手の役でしたね。)折角華もあって演技も歌も出来る才能があっても脚本選びがこう下手ではファンとしても残念でなりません。「ファウンテン」、「彼が二度愛したS」と『ヒュー・ジャックマンの無駄遣い映画』ばかり続いています。この夏公開の「X-men オリジンズ ウルヴァリン」は期待して待ってて大丈夫なんですよね?
綺麗な俳優と綺麗な景色と綺麗な衣装を見て、素直に綺麗だったわ~と言える「綺麗な映像とメロドラマ好きな人」向け映画でした。ストーリー重視派や、人間の行動に理由が欲しい人には向かないと思います。

バズ・ラーマン監督・原案・脚本
スチュアート・ビーティー脚本
日本公開 2009年2月28日
上映時間 165分
映画公式サイトhttp://movies.foxjapan.com/australia/

映画予告は映画公式サイトでご覧になるかmore...>>をクリックしてご覧下さい。

オーストラリア [DVD]オーストラリア [DVD]
発売日:2009年8月12日
ニコール・キッド、マンヒュー・ジャックマン

商品詳細を見る
関連記事
ヒュー・ジャックマンがアカデミー賞授賞式の司会者に決定!
第81回アカデミー賞ノミネート発表
第29回ゴールデンラズベリー賞ノミネート
映画の感想カテゴリの他の記事

にほんブログ村 映画ブログへ
映画の感想 | Comments(11) | Trackback(0)
Comment
オイラは映画館のざわざわする感じが嫌いで、ホームシアター人です。でも、見に行きたい気持ちだけ?はまんまん!
なので、lifenomarsさんの映画最新情報、とっても参考になります。
これからも、最新じゃなくても、いろいろ教えてくださいねv-218
だから困るんですよ。
>また日本軍によるダーウィン空爆は日本ではあまり知られていないので知るきっかけになりました。(ただ、上陸はしてないので、あんな事はしてないと思います。)

だから見たくないんですよねー。こっちで一人で日本人だと、また敵扱い、加害者扱い、多勢に無勢で完全に悪者にされてしまうので…。

私は日本がオーストラリアを攻撃したことは、知っていましたよ。シドニー五輪がきっかけだったと思うので、随分最近のことですが。
とても参考になります
こんばんは。いつも明確な論旨で分かり易いです。
今回の記事でも魅力的な面は認めた上で
映画としてはダメだと指摘しているので
読むだけで伝わる情報量が豊富だと思います。

私はN・キッドマンも好きですし、
H・ジャックマンはミュージカルから
ヒーロー映画まで素晴らしい才能の持ち主で
動向をいつも気に掛けて注目しています。
でも「オーストラリア」は見送りが正解みたいですね。
Re: タイトルなし
いやいや、好きに書き散らかしてるだけなので落書きだと思って読んでいただけると助かります。ホームシアターもじっくり浸れるのも良いですよね!
コメンタリー、メイキング、隠し映像など仕掛けがいっぱいあって楽しいのも魅力です。両方好きですね~。
Re: だから困るんですよ。
そうなんですね・・・。自分は今回初めてダーウィンの事は知りました。
海外で暮らすと言うことは日本を代表してしまう部分があって色々気苦労があり大変でしょうね。
この映画の歴史修正主義な部分についてはアメリカの新聞の映画評でも批判されていると聞いたのですが、あまり大きく扱われなかったんでしょうね。
まぁメロドラマの分りやすい悪役は他にいるのですが、そこはほとんど宣伝されてないです。
Re: とても参考になります
コメント有り難うございます。いや、そう言わずに、ヒュー・ジャクマンの上半身を堪能してきて下さいませ。
一緒に行った友人は「良かったよ~。ニコールも頑張ってたじゃない!」と言ってました。
私はたまたま合わない脚本だったのと過剰に期待すしぎだったので怒りにまかせてこき下ろしてしまいましたが、1日経ち冷静になると貶しすぎだったと反省してるところです。
牛を移動させるシーンなどは雄大で見応えありましたので、他の方のレビューも参考になさってみて決められたらいかがでしょうか。
これ試写会誘われていたのですが、予定が合わずに観れなかった作品です。
予告編では良さげだったので期待してたのですが、そんな感想でしたか。
でもニコールもほんとに素敵で機会があれば観てみたいと思います。
>栄子様
私はヒュー・ジャックマンのファンなので、期待が大きすぎてつい厳しい目で見てしまいました。
ネット上の評判は悪くないようですし、映像は間違いなく美しい作品でした。
もしごらんになったら是非感想お聞かせくださいね。
Totally agree!! です
俳優それぞれには惹かれるものの、
作品に関してはもうダメダメでしたね。

バズ・ラーマンは、自国の映画で自国出身のトップ俳優をキャスティングしてそれに溺れてしまったかのような出来です。
>asaサマ
コメント有り難うございます。
どうしちゃったんだバス・ラーマン!!って感じですよね。
最初の脚本は名作だったという噂も聞きます。資本を出した会社の意見が入りまくって色々盛り込んでいった結果ああなっちゃったのかも知れませんが、本当に残念です。
・・・アボリジニ問題を正面から描いてると思えましたか?
私には全然見えませんでしたね。
あの時設にアボリジニと友情を結ぶ白人がいても”お話”としては良いでしょう。
ですが白人がアボリジニに行った非道行為は、酒場立ち入り禁止なんていう生易しい事ではないですよ。
「白豪主義」で調べればすぐに判るでしょう。
白人であらずば人間ではない、これは現代でも一部の白人が持つ偏見ですが、当時どれだけの虐殺があったか、この映画はその端すら見せていません。

オーストラリアの歴史は、白人によるアボリジニ大虐殺の歴史ですよ。
メロドラマならまだ理解できますが、あれでアボリジニ問題を正面から描いたなんて、アボリジニが見たら何ていうでしょうね。

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。