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2010/05/14

映画「オーケストラ!」感想

「オーケストラ!」見てきました。
政治に翻弄された人々がたくましく生きる様子に笑わされ、ホロリとし、最後は音楽の持つ力にじ~んとさせられました。特に12分22秒のラストシーンは、あまりセリフはないのに音楽と演技だけで奇跡が起こっている事が伝わってきてまさに圧巻でした。後味もすっきり、評判が良いのも納得の素敵な映画ですね。
クラシックやロシアについて知識がなくても世代関係無く楽しめるコメディ作品です。ただベーゼが現在では口づけという意味では使われていないなど、現在のフランス語について知識があれば、もっと笑えそうだったのが唯一もったいない点でした。

ストーリーは「1980年、ロシア・ボリショイ交響楽団から多くのユダヤ人が排斥され、それに反対した天才指揮者のアンドレイも楽団を解雇されてしまう。いつか復職する日を夢見て劇場清掃員として働いていたアンドレイは、ある日パリのシャトレ座から送られてきた出演依頼を見つけ、偽のオーケストラを結成することを思いつく。」というものです。

ソ連時代プレジネフ政権下で排斥されてから30年、アンドレイ以外の元楽団員も皆苦労し、救急車やタクシーの運転手、引っ越し屋、ポルノ映画の音響技術者、博物館の監視員、蚤の市業者など様々な職業についています。しかし理不尽な状況を嘆く作りではなく、パワフルにたくましく生きている姿がなんともユーモアーがあって楽しかったです。

予定をすっぽかし自分勝手に行動し呼び出しも無視する彼らと、ソリストのアンヌ=マリー・ジャケ、指揮者のアンドレイそれぞれの過去と気持ちがチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」を演奏するうち一つに昇華していくラストは、コンサートを見た時のように拍手喝采をしたくなりました。

オーケストラの楽器のように個性豊かな登場人物(ロシア人、ユダヤ人、ロマ、フランス人、ロシアンマフィア、ロシアの大富豪)を活かした協奏曲のような脚本・演出がこのカタルシスを生んでいるんでしょうね。

基本コメディなので、あり得ない展開や無理がある設定もあります。
練習シーンが全くなかったり、60人分のパスポートとビザがずっと通用したり、初めてのパリでフランス語も分からないのに商売できてたり…などなど。でもそこ突っ込むのはヤボと思わせ、粗も気にならなくなるのは、最後の演奏シーンが素晴らしいからでしょうね。
主要なキャスト以外の楽団員は本物の音楽家を使ったそうで、演奏シーンにリアリティがあります。ヴァイオリンソリスト役のメラニー・ロランの指と弓はちょっと不自然なところもありましたが、知的な美しさと華があってぴったりの配役です。「イングロリアス・バスターズ」の時より綺麗になってる気がしました。
またコンサートシーンは演技や演出も良いけど、カメラワークも素晴らしく、登場人物の心の動きがしっかり画面から伝わってきました。また彼らのその後までさらりと見せてハッピーな気持ちにさせてくれる編集も良かったです。

あり得ない設定と言いましたが、「ソ連時代プレジネフ政権によってボリショイ交響楽団からユダヤ人音楽家たちが排斥され、彼らを擁護するロシア人もまた解雇された」というのと「2001年偽のボリショイ・オーケストラが香港で公演」というのは実話らしいです。ロシアにはガス油田でボロもうけした大富豪も実在しますし、パリ・コミューンに憧れるロシア共産党員やロマの演奏家もいそうですよね!

映画はクラシックの他、テクノなどさまざまな音楽が使われています。特にロマの宴会シーンは生活の中に音楽があり、それを楽しむ気持ちの豊かさが溢れている素敵なシーンでした。

映像的にはDVDでも十分ですが、臨場感ある演奏シーンを楽しむには音響の良い劇場で見た方がおすすめです。



冒頭10分の動画も公開されています。
http://gagamovie.channel.yahoo.co.jp/index.php?itemid=158


邦題:オーケストラ!
原題:Le Concert
監督・脚本:ラデュ・ミヘイレアニュ
出演:アレクセイ・グシュコブ、メラニー・ロラン、フランソワ・ベルレアン、ドミトリー・ナザロフ、ミュウ=ミュウ
上映時間:124分
公式HP: http://orchestra.gaga.ne.jp/

B003COBQTK オーケストラ! サントラ【全28曲】
 3. ナニナニ 、7. カリンカ 、9. カルゥ 、11. 交響曲第1番「巨人」第3楽章より 、13. 剣の舞 (DJ Ahmed Remix) 、14. ピアノ協奏曲第21番第2楽章より 16. ツィガーヌ 、26. ヴァイオリン協奏曲より など
amazonで一部試聴可。

劇中使用曲:モーツァルト「ピアノ協奏曲第21番ハ長調KV467」、チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35」「白鳥の湖」、バッハ「無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1007」「2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ長調BVW1043」、ロッシーニ「ウィリアム・テル」、シューマン「夕べに」「なぜ」、ドビュッシー「西風の見たもの」、パガニーニ「24のカプリース作品1」、ハチャトゥリアン「剣の舞」、マーラー「巨人」、リムスキー=コルサコフ「交響組曲「シェラザード」Op.35」、ラロ「スペイン交響曲ニ短調Op.21」、メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64」他


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映画の感想 | Comments(0) | Trackback(4)
2010/05/07

風評被害を防ごう!

連休中宮崎で過ごしたので、口蹄疫はかなり深刻な事態だと思いました。
でも全国ニュースではほぼ流れませんね。下手に報道しても風評被害の方が大きいという判断なんでしょう。

地元のTVでは口蹄疫拡散防止の県広報CMが何度も流れてましたが、これが連帯意識に訴える非常に心に響くものでした。
「畜産農家の皆さん、この難局一緒になって頑張りましょう。県民の皆さまのご理解とご支援をお願いいたします。」という文字のみバージョンと、「畜産関係者のみなさん、力を合わせてこのピンチを乗り切りましょう!県民の皆さまには冷静な対応をお願い申し上げます」という知事バージョンがあるのですが、どちらも私も何か協力しなくっちゃっと思わせるCMです。まぁ一般人の私達に出来るのは「冷静な対応=風評被害を防ぐ」って事くらいですね。

畜産関係者も県の職員さんも本当に頑張っています。空気感染するし、発生場所も県境のえびのまで来てて、事態はかなり悪いですが、これ以上拡散せずどうか沈静化して欲しいですね。
雑記 | Comments(2) | Trackback(0)
2010/05/01

映画「ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲」感想

「ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲」見てきました。こんな安易な企画でも一所懸命頑張ってるヒロイン仲里依紗だけが見どころの作品です。脚本も下品ですべってばかり、下らないストーリー展開に、ただただあきれました。特に盛り上がる場面での「合体」などは、ばかばかしさを越えたナンセンスを狙ったのでしょうが、単なる下品になってて怒りさえ湧いてきました。

ストーリーは「2025年、全てに白黒をつける無法都市・ゼブラシティ。かつてヒーローとして地球を救った市川新市は記憶を失い、理由も分からぬまま警察に追われていた。一方、ゼブラクイーンとして人気を博すスーパーアイドルが、密かに世界征服を企んでいた。」というものです。

ヤッターマンの深田恭子ちゃんのボンテージファッションを見てやりたくなっただけの映画ですね。
その上コントが面白くない、そのたびごとに「(°Д°)ハァ?」って感じになっちゃいました。

でも仲里依紗演じるゼブラクイーンの音楽ビデオだけはいい出来でした。(ゼブラクイーンの公式にある「ゼブラクイーン??!!」というパロディビデオは面白いので本物のPV2本の後に是非ご覧下さい。)公式以外のyoutubeでも2種類とも見られますが、これは迫力の大画面で見て楽しかったです。むちむちっぷりもちょっとレディー・ガガっぽくて格好いいですね。
あとすみれ役の永野芽郁ちゃんの美少女っぷりも見所ですね。成海璃子以来の大物美少女って感じで、これからが楽しみです。
衣装デザインと「時計仕掛けのオレンジ」を彷彿させるガダルカナル・タカのキャラやマッドサイエンティストなど、キャラクターデザインだけは目新しさはないけれど頑張っていました。(というかお金かかってました。)

脚本は本当に酷いです。(まぁそれでも「蟹工船」よりはましですが。)よく映画がつまらないというと「その批判はラーメン屋に入ってカレーが無いというようなものだ。ジャンルが違う。」と言いますが、食べ物と言えないぬるくてパサパサした何か分からない炭水化物の塊出されたら誰でも怒ると思います。百歩譲ってドライ冷やし中華だったとしても、すっごい不味かったのでおすすめいたしません。また公式HPは私の環境ではnewsと劇場情報しか読めません。凄いものを作ろうという意気込みはあるのでしょうが、誰でも見られるようにしておかないと意味がないと思います。
久々にあくびをしながら映画を見ました。

一見の価値がある仲里依紗演じるゼブラクイーンのPV


一見の価値があるとは思えない映画の予告


監督:三池崇史
脚本:宮藤官九郎
撮影:田中一成
美術:坂本朗
編集:山下健治
音楽:池頼広
上映時間:106分
出演:哀川翔、仲里依紗、阿部力、井上正大、田中直樹、ガダルカナル・タカ、スザンヌ、永野芽郁、中野英雄、水樹奈々、前田健、六平直政、木下ほうか、マメ山田、波岡一喜、生瀬勝久
公式HP:http://www.zeb2.jp/index.html
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2010/05/01

映画「息もできない」感想

「息もできない」見てきました。暴力や社会問題など過酷な現実を見せながら痛々しい魂をリアルに描き、しかもクスッと笑わせるユーモアーもある、何とも言えない魅力溢れた作品でした。俳優の演技も巧いのですが、容姿や雰囲気が脚本に嵌っていて本当にこうゆう境遇のこんな人いそうというリアルさがありました。さらに演出や編集も緩急のつけかたが巧くて、息詰まるような緊迫感や、やるせない心の動きが画面から滲み出てきます。家族の問題に押しつぶされそうになりながらも躙るように生きる二人が出会い魂が寄り添っていく過程は痛々しく切なく、漢江の岸辺シーンあたりからラストは涙が止まりませんでした。
上映館が少ない作品ですが、DVDになるまで待つのももどかしいです。オンデマンドでもやってますが、近所でやってるなら是非劇場でご覧下さい。

ストーリーは「父への激しい怒りと憎しみを抱き、社会の底辺で生きるサンフンはある日、心の傷を隠しながら生きる勝気な女子高生ヨニと出会い少しずつ変わっていくが……。」というものです。
韓国映画は暴力とエロが多くて苦手なのですが、この作品も暴力シーンから始まります。ボッコボコに相手を殴る頭悪そうな顔の主人公サンフン。下品な罵倒語しか言わず、女も殴る最低の暴力男ですが、抜けたところもあってだんだん感情移入してしまうのが不思議です。

この映画について前知識は一切持ってなかったので、前半「ヤンキーナルシスト監督の無垢女子高生による魂救済映画か…」と誤解してしまいました。私が無知でした、ごめんなさい。しかし二人の関係は恋愛というよりDV被害者(同時に加害者でもある)が共鳴したような痛々しいものです。

互いの境遇について二人は知らず、過去の因縁も知っているのは観客だけです。たしかに身に降りかかった物事の原因が全て解明されてて当事者がぜんぶ知ってるなんて現実には無いですもんね。そこからラストに繋がる脚本は憎いくらい巧いです。

また手持ちカメラによる人物目線画面は登場人物達の心情に迫り、ドア越しだったり殴ってる顔のアップと音だけで表現した暴力シーンはバイオレンスよりドラマ=心情描写を重視してて、暴力が題材の映画ながら嫌悪感を抱かせない作りになっています。

言葉で気持ちを伝えられず感情を暴力でしか表現できないサンフンの心情の変化を、台詞に頼らず手に取るように分からせた脚本・演出・カメラ・そして俳優、どれもとても良かったです。

そして思いっきり泣いた疑似家族として希望があるかに見えた結末の後、ラストシーンも非常に考えさせられるものでした。暴力の連鎖・因縁というギリシャ悲劇のような普遍的な物語になって、静かだけど衝撃的な終わり方でした。

いや~、これが長編デビューの監督・製作・脚本・主演ヤン・イクチュン、すっごい才能ですね。
しばらく見てなかったけどまた韓国映画が見たくなりました。



原題:Breathless
監督:ヤン・イクチュン
製作:ヤン・サンジン
撮影:ユン・チョンホ
美術:ホン・ジ
編集:イ・ユエンジュン、ヤン・イクチュン
音楽:インビジブル・フィッシュ
上映時間:130分
出演:ヤン・イクチュン、キム・コッピ、イ・ファン、チョン・マンシク、ユン・スンフン、キム・ヒス、パク・チョンスン
公式HP:http://www.bitters.co.jp/ikimodekinai/
「アクトビラ」(http://actvila.jp/)と「J:COM オン デマンド」(http://www.jcomondemand.jp/)でオンデマンドでもやってます。
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